学部・学科紹介

学部・学科紹介
学部・学科紹介
ここでは京大の学部・学科を学生視点から紹介しています。
京都大学にはどのような学部・学科があるのでしょうか。
これを読んで、学部・学科を決める手助けとしてください。
総合人間学部
プロフィール:あほぎつね 3回生 大阪出身
こんな人におススメ!
興味の幅が広い人、勉強はもちろんそれ以外のこともやりたい自由人、既存の枠にとらわれず学びたい人、行動力のある人
何を学ぶところ?
総人は「人間科学系」「認知情報学系」「国際文明学系」「文化環境学系」「自然科学系」という5つの学系の中から主専攻と副専攻の二つの分野の学問を選んで学びます。例えば人間の行動を文系的な人間科学系の心理学と理系的な認知情報学系の脳科学の両方の面から見ることが出来たりなんかもします。他にも他学部の授業も受けることもできたり、他学部の大学院に進めるなどすべては自分次第で何もしなければ何もせずにただ過ぎ去っていくだけという、本当の意味での「自由」な学部です。いろんなことに触れることが出来るので、まだ興味が定まっていない人でもやりたいことが見つかるかもしれません。偉大な先輩方の中には新たな学問を開いたなんて方もいらっしゃいます。
総人はよく他学部の人に「暇総人」と言われることがあります。たしかに総人には決められた必修がほぼなく、必要単位も比較的とりやすく少なめなので確かに普通にやっていれば「暇」はできます。「暇」とはすなわち「自由」です。総人生たちはその「暇」で部活やサークルに打ち込んだり、学問を深めたり、自分のやりたい事を存分に謳歌しています。
志望したきっかけ
もともと現役時代は理系で、当時は周りに流され工学系を受験していましたが、テレビ局に就職したいという思いが強くなり、浪人期に理系で入学でき、文系的なことも学べる総合人間学部を志望するようになりました。
わたしと総合人間学部
総人に入ってよかったことはまず同期や先輩と仲良くなれたことです。総人にはまず入学してすぐに新入生ほぼ全員と二回生から院生・卒業生の先輩や教授といく総人合宿という親睦を深める合宿があります。それに加えて夏には学生主体でオープンキャンパスも行ってタテとヨコのつながりが非常に強く、広場や授業にいけば必ず総人の知り合いがいて話したりして、いろんな強い個性を持った人からたくさんの刺激を受けています。
サークルの代表をやっていてとても忙しかったですが、1・2回生の間にほとんど卒業に必要な単位を取りきることもでき、もともとテレビ局への就職を目指して総人に来たのでそれにつながるような趣味やサークルや学部の友達とたくさん遊びバイトもして、とても充実した生活を送ることが出来ています。好きなテレビの研究もできそうな研究室も見つけて今はその研究室のゼミに出て、教授や先輩からさまざまな手法を学んでいます。
文学部
プロフィール:かわうそ 3回生 栃木県出身
こんな人におススメ!
- ・知的好奇心が強い人
- ・考えるのが好きな人
- ・人と話すのが好きな人
- ・幅広く教養を付けたい人
何を学ぶところ?
文学部では基本的に1年目は教養科目を学び、2年目で6つの系に分かれて専門分野の基礎を学びます。これは他学部でいう学科のようなものですが、それほど専門分野にとらわれずに他分野に横断して学べます。3年目で32の専修に分かれて自らが専門とする分野をより深く学んでいき、そして4年目で卒論執筆となります。
文学部は「本ばかり読んでいる」などのイメージがあるかもしれませんが、それだけではありません。文学部は簡単に言えば「人間の知の営みに迫る」学部なのです。文学、歴史学、哲学などのいわゆる「ザ・文学部」の学問から、心理学、情報学、史料学など、一見すると「文学部らしからぬ」学問まで扱えます。他学部とくらべると学ぶ内容が抽象的に思えるかもしれませんが、それは同時に様々な分野を広く学べるという強みでもあるのです。
また、「あそぶんがくぶ(「遊ぶ」+「文学部」)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは上述のように文学部は扱う学問の範囲が広く、自分の好きなことを研究できるため、まるで趣味をしているように見えることが由来です。もしもあなたが好きなもの、究めたいものがあるなら、きっとそれを研究に変えることができるでしょう。「あそぶんがくぶ」であると同時に「まなぶんがくぶ」でもあるのです。
志望したきっかけ
小学校の頃からずっと文学、歴史や哲学が好きで、「勉強」というより「趣味」として文学書や哲学書を読んできました。そして大学受験に際し、これらをもっと知りたい、もっとやりたいと思い、また「好き」を究めたいと考えたので文学部を志望しました。また、「狭く深く」より「広く浅く」ものごとを知りたいと思っていたので、他学部と比べて学べる学問の範囲が広く自由度が高い文学部に魅力を感じたのも志望理由のひとつです。
わたしと文学部
上記で文学部は「あそぶんがくぶ」であり「まなぶんがくぶ」であると書きましたが、実際に文学部に入学してみるとまさにそのとおりでした。高校の頃は漢文学を学びたくて文学部志望を決定しましたが、様々な授業を受け、自身で学んでいくうちに社会学や心理学、さらには倫理学などさまざまな分野に興味をもちました。「広く浅く」以上の、「広く深い」学びを与えてくれる文学部を選んでよかったと実感しています。これらはまさに「趣味」のように楽しく、遊んでいるような感覚で毎日学んでいます。私は歴史基礎文化学系の東洋史学専修に所属しているので、最終的には古代中国を研究対象にしようと考えています。
文学部は他学部と比べて履修の自由度が高いです。「自由」であるということは、同時に主体性が求められ、自分から動かなければ何も得られないという「不自由」が伴います。あなたに学びたいことがなければ、空虚な4年間を送ることになるかもしれません。もしもまだ学びたいことが見つかっていないのならば、文学部に入ってから貪欲に様々な分野を学んで好きなものを見つけ、もう学びたいことが見つかっている人はさらに可能性を広げるために学問を続けることが必要だと感じました。
「自由」という名の「不自由」。その板挟みを存分に愉しんでください。
教育学部
プロフィール: かくたすさん 3回生 京都府出身
こんな人にオススメ!
☆教育について幅広く学びたい人
☆臨床心理学に興味がある人
☆一生ものの友人をつくりたい人
何を学ぶところ?
教育学部、というと「教師になるのか」としょっちゅう言われますが、京大の教育学部はいわゆる「ゼロ免課程」、教員養成を目的とした学部ではありません。もちろん教員免許の取得も可能で、実際に多くの志の高い学生が教師を目指して勉強に励んでいます。しかし、京大の教育学部では、教員としての知識や技術などにとどまらず、教育に関連するありとあらゆる分野を学ぶことができます。たとえば、教育の成立や変遷を学ぶ教育史や、教育関連の思想を学ぶ教育哲学。また、心理的な問題を抱える人の援助をする臨床心理学や、思考や記憶のプロセスについて学ぶ認知心理学。教育を社会学的な観点からとらえる教育社会学や、教育制度の国際比較を行う比較教育学なども人気が高いです。1、2回生ではこれらの諸分野を総合的に学び、3回生からは、「現代教育基礎学系」、「教育心理学系」、「相関教育システム論系」の3つの学系に別れて、自分が学びたい分野をより深く追究できます。
また、京大の教育学部は1学年全体で60人と少人数なのでとても仲が良く、学生の憩いの場であるラウンジでは、学年を超えて多くの学生が楽しく交流しています。
わたしと教育学部
高2のころ、つらいときに親や担任、友人などに話を聞いてもらってすごく楽になった経験があって、自分もそんな人間になりたいと思い、臨床心理学を学びたいと思いました。大学を決めるにあたって、日本における臨床心理学の権威である河合隼雄氏が教鞭をとっていたということが決め手で、京大の教育学部を志望しました。
現在、私は教育心理学系に所属し、臨床心理学を勉強しています。最近面白いのは、院生と共同研究をする通称「院ゼミ」という授業で、カウンセリングなどの心理療法の構造を音声的に分析するという新しい試みに参加しています。また、授業の延長でのボランティアに参加する中で自閉症の子どもと接触する機会があり、それをきっかけに、発達障害を抱える子どもへのアプローチに興味を持ち始めました。卒業後は大学院に進学し、臨床心理士を目指そうと思っています。
入学前は、やはりゼロ免課程だから教員免許を取る人は少ないんだろうと思っていましたが、意外に多かったのが印象的でした。一般企業に就職する人も多い学部ですが、「教育学部に入った以上は教員としての素養を身につけて卒業したい」という理由で教員免許を取得する人が多いです。その辺りの意識の高さがさすが京大だなぁと。また、学部生の仲の良さは入学前のイメージ通りでした!同回生の人の顔をみんな覚えられて、他の回生の人とも縦割りコンパや教育学部祭などですごく仲良くなれる学部は京大では他にないのではないかと思います!
法学部
プロフィール:ちゃめ 2回生 兵庫県出身
こんな人におススメ!
- ・将来、弁護士や公務員など法律、政治に関わるお仕事をしたい人
- ・論理的に考えることが好きな人
- ・世の中の仕組みが分かるようになりたい人
何を学ぶところ?
必修科目はなく、法律・政治分野から自身の興味に応じた講義を好きなように履修することができることが魅力です。また経済学部の講義も履修可能です。多くの学生が法律家や公務員を目指して入ってくるため、在学中は三年後四年後の試験に向けて、自主学習に重きを置いた積極的な学習態度が求められます。法律や政治の学習は非常に広範囲かつ細部に渡るため、法学部では常に努力を怠らず、向上心を持ち続けられる学生が求められます。
志望したきっかけ
さて、上記ではなにやら大変そうなことを書き並べ、「法律家や公務員という明確な目標がある学生しかいないのかな」「なんだか大変そう…」と思わせてしまったかもしれません。がしかし、実は、私自身が法学部ってなんかカッコいな!と、漠然とした理由で入ってきたタイプの人間です。私の場合は、法学部に行きたいという思いよりも先に「京都大学に行きたい」という思いが強かったため、正直なところ学部はなんとなく決めてしまいました。そんな私から見た法学部を次にお伝えします!
わたしと法学部
結論から言うと、私はこの学部に入ってよかったなあと思っています。法律家・公務員を目指す人はいうまでもなく、将来の夢が明確でない人にもはっきりと法学部をお勧めできる、その理由は三つあります。
一つめは周りの友人から刺激を受け、自分自身を高めることができること。弁護士試験を受けないからといって、他の法学部生に求められるような勉強量が免除されるかといえばそうではありません。授業についていくためには、必然的に同じ努力が求められますので、しんどくないことは絶対にありませんが、努力し続けるという社会において当たり前のことを習慣づけ自分を高め続けられる環境が、ここでは用意されています。友人たちと切磋琢磨しながらの日々が必ず財産になると確信しています。
二つめは私たちが暮らす現実社会に直結する勉強ができること。私たちは法律と切っても切れない関係です。行く場所やること全てに法律が存在します。法律を学ぶということはこの社会を知ることそのもの。そう考えるととっても魅力的な学問ですよね。勉強するほど新たなものが見えてきて楽しくなってくる!という経験をしたことはありませんか?思い当たる節があれば、おそらくこの学部に向いています。
そして就職活動を来年に控えた私は、二年間この学部での勉強を通して自分の興味を発見することができました。それが進路を決める際の大きなヒントになっています。これが三つめの理由です。法律や政治を学び、そこから広がる進路というのは実はとても多様です。はじめは「なんとなく」で選んだ法学部でしたが、今ではしっかり将来につながっているという実感をもって、勉強できるようになりました!
経済学部
プロフィール:きのこ 2回生 京都府
こんな人におススメ!
- ・経済や経営など、お金や人の動きに興味がある人
- ・専門分野だけでなく、幅広い分野について自由に学びたい人
- ・文系だが数学が好きな人
- ・理系だが文系分野を学びたい人
- ・特にやりたいことはないが普通に就職する予定の人
- ・休学せずに長期間の留学などしたい人
何を学ぶところ?
経済学部は自由の校風を掲げる京大にあって最も自由で多様性に富んだ学部の1つだと思います。他の学部に比べても自分の時間が多くとれるため、勉強はもちろん、サークルやバイトなど自分のやりたいことに打ち込めますし、休学せずに長期間の留学やインターンに行くことも難しくありません。勉強しなくてもいいという意味で「パラダイス経済」と呼ばれることも少なくありませんが、むしろ幅広く真剣に学びたい人にとって経済学部ほど適した学部はありません。経済学部は経済だけでなく、経営や金融、会計など幅広い分野について学べることが特徴です。特に京大経済学部では必修科目がないため、法学・政治学を含め幅広く自由に学ぶことができます。そのため様々な分野に興味を持つ様々な学生が集まり、こういった学生との交流を通して自らの視野を広げることもできます。また、ゼミと呼ばれる少人数授業では、自分の学びたい分野についてより深く学ぶことができます。優秀な教授からの指導を受けられるだけでなく、時には教授を交えて議論を行うこともあります。京大経済学部はこういった対話型の授業を重視しており、学生にとっては積極的に学ぶチャンスとも言えます。
志望したきっかけ
私は正直に言って特に興味のある分野が無かったのですが、京大経済学部にした理由は2つあります。1つは入学してから勉強したいことを探せると思ったからです。特別に興味のある分野が無かったとはいえ、漠然とお金や人の流れに興味がありました。そのため京大経済学部に入れば、幅広く経済について触れながら学びたいことが探せると思いました。2つ目は就職を意識した、という理由です。高校生の時は進路について何も考えていませんでしたが、なんとなく就職するんだろうということだけ考えていて、就職を意識したときにやはり経済学部で学べることが最も役に立つと考えました。
わたしと経済学部
私が京大経済学部に入ってよかったと思う点は、やはりその自由さと学べることの幅広さにあります。勉学とは別にイベント運営や学生団体に興味があったので、自分の自由な時間をそこに活用することができたことは私の中で非常に大きかったと思います。また、実際に幅広い分野について学べるため入学してから自分の学びたいことを探せることも大きな長所です。入学前は特に興味のある分野の無かった私でも大学2年間でそれを見つけることができました。
現在、私はマーケティングのゼミに所属していて、どのように顧客にとっての価値が生み出されるのかを学んでいます。もともと人やお金の動きに興味があったので、企業や組織がいかにして価値を生み出し、それによってどのように人やお金が動いていくのかというのは勉強していてとても面白いです。私の所属しているゼミでは活発な議論が特徴で、学生や教授との議論の中で自分に無い考え方に気づかされたり、互いに理解を深め合ったりすることができるため、とても刺激になります。
学部を選ぶというのは意外と難しいと思います。自分が興味のある分野は何か、将来なにになりたいか、得意科目はどれか、文系か理系か、先生や親の意見は、などなど悩む要素はたくさんあるはずです。この結論は人によって様々でしょうが、私は経済学部を選んでよかったと本当に思います。
理学部
プロフィール:味噌煮込みひまつぶし 3回生 愛知県
こんな人におススメ!
- ・自然科学全般を自由に学んでみたい人
- ・理論が好きな人
- ・自然科学に関することはやりたいけど、まだ特にこれがやりたいというものがない人
- ・「理学部ありだな」と思ったことがある人
何を学ぶところ?
理学部は、将来的に専門としたいことが決まっている人にもまだ決まっていないにとっても、自然科学を意欲的に学ぶ意志があれば非常によい環境です。全体を通してのカリキュラムは、大学の学部紹介にあるように「ゆるやかな専門化」という表現があっていると思います。1回生のうちは、他学部よりも自由に基礎的な学問を選択でき、回生が上がるにつれ専門的になっていきます。具体的には、3回生に上がる段階で数学・物理学・宇宙物理学・化学・地球惑星科学・生物科学の5つから専門とする分野を選ぶ必要がありますが、1、2回生では様々な分野から自分の興味のままに学ぶことができます。そうはいっても、系登録をした3回生以降もある程度は他の系の分野を学ぶことができるので、自分が本当に専門としたいことを追求するのに非常に多くの時間的猶予があります。
また、1回生のうちから専門的な学問を学ぶこともでき、自分の専門としたいことが入学時点で固まっている人にとっても、有意義な学部だと思います。
余談ですが、京都大学の理学部は京都大学の中でも非常に自由な学部です。自由だからこそ自分のやりたいことが何かということを意識しておくことが大切です。
志望したきっかけ
僕が理学部を選んだ理由は、化学以外のことも広く学んでみたいと思ったからです。僕は高3の夏まで工学部工業化学科志望でしたが、ふと工学部の一貫したカリキュラムより自分の学びたい分野の選択肢の広い理学部のカリキュラムが自分に合っていると思い、志望を変更しました。その後1年浪人しましたが、その間に自分の自然科学への興味が生き物に根差していることに気づき、より一層理学部でなければという思いにつながりました。
わたしと理学部
僕は今3回生で化学系に所属しています。実際のところ、工学部工業化学科の友人の話を聞くと、化学(特に実験系)をやろうと決め込んでいる人にとっては工化の方がカリキュラムとして整っているため適しているかもしれません。しかしその分、他の分野の講義をとる機会は少ないので、生物や地学についても学んでみたいと思っていた僕にとっては理学部という選択は非常に有意義でした(工学部で全く他の分野を学ぶことができないという意味ではないので、その点は誤解されないように)。ただ、数学の抽象度が高いという理学部らしい特徴に苦労するなど、工学部でもよかったかなと思うこともあります。人生は一回きりなのでどちらがよかったかなんて分かりませんけどね。
最後に、僕は「どこで」学ぶかということよりも「何を」あるいは「何のために」学ぶのかということの方が大切だと思っています。高校生の段階で「何を」学びたいかなんてなかなか答えを見出せるものではありません(大学に入って僕は学問分野の幅広さに本当に驚かされました)。なので、今これを見ている高校生・浪人生(もしかしたら中学生)には入学後でも、広い視野で様々な学問を見てみてください。
薬学部
プロフィール: 晩犬さん 3回生 奈良県出身
こんな人にオススメ!
- ☆医療関係の仕事に就きたい人
- ☆1つの発見で多くの人を助けたい人
- ☆多岐にわたる分野を学びたい人
何を学ぶところ?
かつて人々は病気になると神に祈り助けを求めました。彼らから見ると飲むだけで身体の調子を整え病気を治療する薬は一種の魔法のように見えたでしょう。薬学部はそんな魔法を学ぶ学部です。薬学部は、薬の研究職を目指す4年制の薬科学科と、薬剤師を目指す6年制の薬学科の2つに分かれます。薬の研究職は創薬やその基礎研究に関するエキスパートであり、薬剤師は薬を使った治療に関するエキスパートです。薬は多岐にわたる科学と技術の総結晶であるために、薬学部の大きな特徴としては専門分野が広大なことが挙げられます。私もその広大さに驚きました。病気の状態を知るための生物系、投与した薬の吸収や排泄などの体内動態を知るための物理系、薬そのものに関する有機化学系などの基礎系から、より高い専門性のある錠形に関する薬剤学や薬の作用を学ぶ薬理学などなど。その幅広さから「雑学部」と揶揄されることもありますが、本当に多くのことを学べます。昨今の専門化が進みに進んだ科学において他分野との繋ぎ役として、大いに重宝されることになると思います。狭い分野に縛られず多くの分野を学びたいという人にはまさにうってつけでしょう。
わたしと薬学部
分を探し出す、というまるで未知なる冒険のような話にとても心惹かれました。もし「宝」を見つけ出して新薬を開発できれば、1人の医師が一生かけて治すことのできる人数の何万倍もの人を、1つの画期的な新薬で治すことができるのです。
たとえば協和発酵の「スプーン一杯のロマンを求めて」という社全運動をご存知でしょうか。社員が出張や休暇の折々に各地の土を集め、その中から新薬の元となる成分を作り出す新菌を見つけるという運動です。気の遠くなるような運動ですが、最終的に新薬の創造に至りました。細菌の他にも生薬など、まだまだ特定されていない有効成分があります。それを発見する。そこに宝探しに似たロマンを感じました。残念ながらこの手法での新薬開発は現在下火ですが、人工的に新薬をデザインして開発する方法、毒として扱われている物質を体内で上手にコントロールすることで薬としての効果を発揮させる方法など、薬学は新たな局面に入っており、チャンスは無限大です。
私はこうした創薬研究にはある程度関わりたいと思っているのですが、どの専攻に行くかは決めかねています。ただ、卒業後は大学院に進学することは決めています。薬科学科は就職するにしても研究職に進むにしても、ほとんどの学生が大学院に進学します。そのため4年制でも6年制の薬学科と同じく6年在学する人が多くみられます。
医学部医学科
こんな人にオススメ!
- 人の健康を守りたいという熱意を抱いている人。
- 最先端の医学研究に対して興味を持っている人。
- 勤勉で真面目で、責任感に溢れている人。
何を学ぶところ?
医師として人々の健康を守るために必要な知識や、最先端の医療技術について学ぶところです。
1・2回生では、人文科学や語学などの一般教養を身に付けながら、医学に関する知識を少しずつ学んでいきます。一般教養で受ける授業の大半は自分で自由に選ぶことができるので、医学以外にも勉強したい学問があるならば、その学問を学ぶことができます。3・4回生では本格的に医学の専門の授業が始まり、毎日朝から夕方まで授業を受けながら、基礎医学、臨床医学について勉強します。この期間の勉強が6年間で一番ハードで量が多いのですが、逆に、医学について学びたいだけ学べる非常に充実した期間だと言うこともできます。そして5・6回生では、実際に病院で患者さんを診るポリクリを通して、4回生までに学んだ医学の知識を実戦で活用するための訓練を受けます。
ここまで述べたのは全員が受ける授業についてなのですが、京都大学では、大学の研究室が学生を非常に積極的に受け入れています。将来医学研究の道に進みたいと思っていたり、そこまでではなくても、医学の中でも特に興味のある分野があって課外学習がしたいと思っているなら、医学の知識が全くない1回生からでも研究室に入り、大学院生や先生方の研究のお手伝いや見学ができます。これは他の大学の医学部にはあまり見られない特徴で、実際に、研究室に通っている学生はたくさんいます。
志望したきっかけ
私の母親は看護師でして、そのため私は小さい頃から医療現場についての話を聞かされながら育ってきて、いつしか医療というものに興味を持つようになりました。そして数ある医療従事職の中でも最も責任が伴い、最も激務を強いられはするものの、最も患者さんを直接救うことができる医師に憧れを抱くようになりました。そうやって興味を持つようになった医学を少し勉強してみるうちに、これほど謎に包まれた学問は他にない、もっと医学について知って新しいことを発見してみたいと考えるようになり、医師になる勉強をしながら医学研究にも早期から手を出せる京都大学の医学部を目指すようになりました。
わたしと医学部医学科
私は現在、2回生を終えようとしていて、いよいよ医学の勉強が本格的に始まる3回生に突入しようとしています。徐々に専門の授業が増え、一週間当たりの授業数はもちろんのこと、実習などの数も増えてきました。しかし、受精卵というたった一つの細胞から人体が発生する仕組みを学ぶ人体発生学、体内で起こる様々な反応をその機能の側面から化学的、物理的に理解する生理学など、「医学を勉強している!」ということを身をもって実感できる授業が増え、最近は勉強することが楽しくて楽しくて仕方ありません!
これらの専門的な勉強は特に面白いものではありますが、だからといって一般教養の授業が楽しくなかったわけではありません。私は医学だけでなく哲学にも興味があり、大学に入ったら勉強しようと高校の頃に決めていたのですが、予想していたよりもかなりレベルの高い授業を2年間にわたって受けることができ、一通り満足がいくまで哲学を学習することができました。
京都大学は、「自由な学風」と謳われるように、勉強する意欲さえあればいくらでも、どんな分野の勉強でもする環境が整っている素晴らしい大学です。その中でも、医学部という学部で昔から夢見ていた医師になるための勉強ができて、私は今とても幸せです。
医学部人間健康科学科
プロフィール:りぼんちゃん 新3回生 大分県出身
こんな人におススメ!
- 医療に興味がある人。
- 人の気持ちを思いやることができる人。
- 将来、誰かのために役に立ちたい、研究をしたいという人。
何を学ぶところ?
人間健康科学科には、「看護学」「検査技術科学」「理学療法学」「作業療法学」の4つの専攻があり、どの専攻においても医療知識を幅広く学ぶカリキュラムが組まれています。入学後は基礎知識を全専攻共通で学ぶのですが、回生が上がるにつれてそれぞれの専攻での専門科目が増え、病院などでの実習も行うようになります。
他の学部学科とは違って、国家試験合格に向けたカリキュラムとなっていることも大きな特徴です。講義では最先端の医療に触れられること、意識の高い仲間と切磋琢磨しながら学べること、数多くある選択肢のなかから自分のやりたいことにむかって自由に学ぶことができる環境があることは京都大学ならではの魅力だと思います。
今、医療はさまざまな社会の変化に合わせて大きく変遷してきており、この学科で学んだ専門知識は、医療、保健、福祉といった分野だけでなく、社会のいろいろな場で必要とされます。また、自分に身近なテーマから、将来の医療と言った大きなテーマまで、様々な視点から医療を取り巻く社会を学ぶことのできる学科となっています。
志望したきっかけ
中学校のときから漠然と医療従事者になりたいという思いがあり、医師や看護師、薬剤師など、いろんな選択肢がある中で、「看護」という道を選択した理由は、患者さんの気持ちに寄り添えるような医療従事者になりたいと思ったからです。患者さんとその家族は、苦痛や不安からさまざまなケアを必要とします。そういった人たちに、正しい知識で適切なケアを行うことができるようになるために、看護学をはじめとした多くの知識を総合的に学びたいと思い、人間健康科学科の看護学専攻に決めました。
わたしと医学部人間健康科学科
大学に入って看護を深く学ぶようになり、それまでの考え方が大きく変わりました。看護では、知識や技術をただ身につければよいというのではなく、その知識・技術をどのようにケアにつなげていくかを自分で考えなければなりません。そして、常にケアの対象者が中心でなければなりません。わたしは高校までは、とにかく勉強して知識を身につけることばかりに時間を費やしてきたので、自分で考えて応用していくということに全く慣れておらず、大学では、自分に足りないもの・必要なものを実感することができました。また、講義などでは、いろんな分野の最先端で働いている医療従事者の方の話を聞くことができ、狭かった自分の視野が、少しずついろんな角度から広がっていっているのを感じます。高齢化が進み後期高齢者の数が年々増え、がんになる人が2人に1人という時代になり、病院にとどまらず、看護の活躍の場はこれからどんどん増加してきます。患者さんの気持ちに寄り添える医療従事者になりたいという初心を忘れずに、大学で学ぶことのできる多くのことを自分の経験として身につけ、社会の変化に対応できる人として医療に携わっていきたいです。
工学部地球工学科
こんな人におススメ!
- ・生活を支える基盤作りに関わりたい人
- ・環境問題に関心がある人
- ・新しいエネルギーに興味がある人
何を学ぶところ?
京都大学工学部地球工学科は、資源・エネルギーの確保や利用に関する技術・知識を学ぶ資源コース、生活を支えるインフラストラクチャーを扱う土木コース、循環型社会創造のための技術・知識を学ぶ環境コースの3つのコースによって構成されています。人々の生活に根ざした視点から、より良い生活を送るために必要なものを考える学科であると思います。地球工学科で扱う分野は幅広く、橋の設計や都市の計画、環境対策や新エネルギーの開発など人々がこれから生きていく上で必要不可欠なものを扱っています。また地球工学科では自分が専攻していく分野の専門科目だけでなく、そのほかにもさまざまなことを学んでいきます。そのため、自分の知らないことがたくさん出てきて戸惑うこともありますが、その分教養が深まり、人としての“深み”が養われます。
地球工学科ではコースごとに研究する内容が違ってくるのですが、コース配属されるまでの1、2回生ではすべてのコースの専門科目を学ぶことができます。それらを総合的に扱っていけることは本学科の大きな魅力であると思います。
志望したきっかけ
私が中学生の頃、東日本大震災が起きました。東京で過ごしていた僕は、何も罪もない人々が被害を受ける様子を見て、やりきれない気持ちでいました。その頃から防災に関わる仕事に就きたい、という気持ちを持ちました。そして、高校3年生のころには御嶽山の噴火が起こりました。志望学部を絞れていなかった僕は、中学生のころに思ったやりきれない気持ちを思い出し、そのころから防災研究所に進める京都大学の工学部地球工学科に行きたいと思うようになりました。
わたしと工学部地球工学科
上で述べた通り、地球工学科では人が生きていく上で必要不可欠なもの、たとえば道路や橋、エネルギー、そして地球環境などを取り扱います。耐震工学や防災リスクマネジメントなど、私が中学高校時代から携わりたいと思っていた「防災」に直結する研究もさまざまな方面から行なっています。このように人の生活を根本から支えることに関わる勉強をしていることに、やりがいを感じています。
現在僕は地球工学科の3つのコースのうち、土木工学を扱う土木コースに所属しています。土木コースで現在は座学のほか、週に2回実験と週に1回大学の近くの鴨川で測量をしています。実験では、吉田キャンパスだけでなく防災研究所のある宇治キャンパスや桂キャンパスに行き、大規模な実験を見たり、行なったりしています。毎週新しい発見に満ちていて、とても充実した生活を過ごしています。こうした実験のどれも、僕たちの生活の基盤に関わるものなのでやりがいにも満ちています。
まだ地球工学科に入って3年目の僕ですが、大学入学前から関わりたいと思っていた防災関係のことはもちろん、地球環境の話や新エネルギーの話など、さまざまなことを学ぶことができました。このような実際の生活に関わる勉強を多岐にわたってできる学部学科は他にはないのではないでしょうか? この地球工学科に入って良かったと胸を張って言えます。
工学部建築学科
こんな人におススメ!
・芸術が好きな人 ・長時間の作業ができる人 ・細かい作業が好きな人
何を学ぶところ?
建築学科は分野としては大きく3つに分かれます。みなさんが建築、ときいて一番に想像されるであろうデザイン設計などを行うのが計画、建築の強度などを研究するのが構造、建築の周りの設備・景観などを考えたりするのを環境とした3つです。3回生になると専門の講義がコースごとに分かれ始め、本格的に区別されるのは4回生の研究室配属後になります。計画、構造、環境のどの分野についても共通なのは緻密な作業をしなければならないことです。例えば計画の製図は締め切り前になると、夜遅くまで作業をする学生も少なくなく、寝る間も惜しんで取り組んでいます。他の学部学科とのおおきな違いは同回生、または先輩後輩とのつながりがとても深いところだと思います。学年を超えて課題のお手伝いをしたりするのもこの建築学科ならではのものではないかと思われます。1回生はおもに計画でやる模型や図面の基礎を学び、2回生ではそれに加えて構造力学や環境工学などのその他2分野の勉強も始まっていきます。3回生以降はさきほども述べたようにそれぞれ興味のある分野を専攻していく形になっていきます。
志望したきっかけ
僕は理系を志望してはいたのですが、研究などには全く興味がなく進路をどうすればいいか悩んでいた頃に自分の好きなことと進む分野をリンクさせられたらいいな、と思ったので絵をかくこと、プラモデルを作ることが好きだったことを思い返して建築学科ならそれをいかせるのではないか、という思いに至りこの学科を目指しました。
わたしと工学部建築学科
建築学科に入学して1年が経ちますが、入って良かったと思うことは自分の好きなことを無制限にできることです。特に模型製作は今までの勉強とは違って答えがなく、どこまで作品を高めていくかが問われるものです。僕にとっては毎日が刺激あるものです。それに加えて学科内の人たちも自分にはないものをもった人がたくさんいて、そんな人たちと仲良くなれるのでたくさんの新しいものを吸収できます。2月頃には4回生の卒業設計のお手伝いをしに桂キャンパスへ2週間ほど通うのですが、経験豊富な先輩の下で教えてもらいながら模型をくみ上げる経験は今後のモチベーションにもなりますし、自分の知らなかった技術を習得できる素晴らしいものでした。作業は長く地道なものなのでしんどいことも少なくないですが、その分達成感も大きくて僕は建築学科に入れてよかったと思っています。
工学部物理工学科
プロフィール:呼子笛 2回生 愛知県出身
こんな人におススメ!
- ☆物理が好きな人
- ☆機械の仕組みに興味がある人
- ☆物を作ったり実験したりするのが好きな人
何を学ぶところ?
物理工学科は技術者を養成するところです。ひと言でいえば、様々なモノに物理学(特に力学)からアプローチすることを学びます。物理工学科の中には5つのコース(機械システム学コース・宇宙基礎工学コース・材料科学コース・エネルギー応用工学コース・原子核工学コース)があり、2回生に上がるときにいずれかのコースに配属されます。そのため、1回生のときは主に教養を学び、コース配属後、2・3回生のときにそれぞれの専門分野の知識を学ぶことになります。そして4回生に上がるときに研究室に配属され卒業研究を行うといった流れです。
いずれのコースでも、2回生以降に履修する専門科目では力学の4分野(機械力学・材料力学・熱力学・流体力学)の知識を主に身に着け、様々なモノに応用できるようにすることになります。物理が好きで、そこを出発点にモノを考えたり作ったりしていきたい人には、物理工学科は非常にお薦めです。
志望したきっかけ
小学校のころから機械の仕組みに興味があった自分は、まず機械を学ぶことのできる工学部に進みたいと考えていました。京都大学を志望校に選んだのは高校3年に上がった春です。関西に住みたいということと、TVで特集された研究室やオープンキャンパスでの模擬講義でなんとなく京都大学にあこがれていたことからでした。
わたしと工学部物理工学科
自分は現在、5つのコースのうち機械システム学コースに所属しています。2回生に上がってから専門科目が増えて内容も濃くなり、自分の好きなことをするために勉強するという実感が湧いています。2回生の専門科目は基本的には座学が中心ですが、高校ではあまりできないことも経験できます。材料力学の講義中、企業でエンジニアリングに携わる人の講演を聞いたり、機械製作実習という授業で実際に一から材料の切削加工を行い、簡単なエンジンのモデルを製作したりします。
専門科目にはかなり難しいものもありますが、自分の好きな機械という分野に大いに関る内容なので積極的に取り組んでいます。物理工学科の中には機械に限らず様々な分野への選択肢がありますが、機械をやりたくて物理工学科に入ったのはよかったと思っています。
工学部電気電子工学科
プロフィール:きぃ 新3回生 大阪府出身
こんな人におススメ!
- ・電気回路に興味のある人
- ・半導体に興味のある人
- ・手を動かして実験をしたい人
- ・プログラムを組むのが好きな人
- ・将来研究職に勤めたい人
何を学ぶところ?
電気電子工学科(通称:電電)では、現代の社会生活の基盤として欠くことのできない科学技術である電気・電子工学を専門として学ぶ学科です。例えば、普段使っている携帯電話やパソコンには欠かすことのできない素子であるLSIなどがその技術の代表として挙げられています。電電ではそのような素子の基本的な物性からその応用に至るまで幅広い内容のものを学ぶことによって、将来様々な研究をする際の基礎を身に付けます。また、実験にかなりの重きを置いており、1回生の時点から基礎的な実験が始まります。2回生では電気電子基礎実験、3回生では電気電子工学実習と徐々に本格的な実験へとシフトしていきます。この実験では、電電の様々な分野の教授が指導してくださることもあり、より詳しい知識を得ることができます。
進路としては電気系・情報系・電力系など幅広い分野に進むことができます。研究室配属が4回生までないため、余裕をもって興味がわいた分野を選ぶことができます。
志望したきっかけ
昔からロボットの分野に興味があり、工学部物理工学科に進学するつもりでいました。ただ、工学部は第二志望まで希望が書けるためもし物理工学科がだめでも、情報系や電気系の勉強をすることができる電気電子工学科に入ることができればロボットのことを間接的にでも勉強できるだろうと思い、第二志望ではありますが志望しました。
わたしと工学部電気電子工学科
上回生になるにつれて理解しなければならない内容がどんどん増えていき、正直難しいなと感じています。その反面、実験でできることが増えていき、日常生活にて我々の身の回りにある電気製品の仕組みをより深くまで知ることができるので楽しいです。このように身の回りの出来事への興味関心が強くなることが電電に入って一番よかったと感じる瞬間です。
「将来的に」だけではなく「現在から」の知識を得られることで、サークルの活動であったり、日常生活であったりに生かすことのできるものを得ることができています。このような知識を得ることができるのは電電くらいのものではないかなと感じています。
他にも、電電は他の学科の基礎的な部分を多く学ぶので、もし院から違う学科のことをやりたいと思っても、電電で学んだ知識を存分に生かすことができます。
工学部情報学科
プロフィール:J.T.なごん 2回生 東京都出身
こんな人におススメ!
- ☆コンピュータに興味ある人
- ☆数学や物理が好きな人
- ☆工学における高度な技術を手に入れたい人
何を学ぶところ?
10年前を思い出してみてください。今や誰もがスマートフォンを持っていますが、あの頃はほとんど誰も持っていなかったと思います。ここ10年で私たちの生活は劇的に便利になりました。これを支えたのは紛れもなく情報技術です。そう考えると、情報学・数理科学は21世紀において最も影響力のある分野といっても過言ではないでしょう。
さて、情報学科では2年次に数理工学コース・計算機科学コースの2つに分かれて講義を受けることとなります。
数理工学コースでは、高度な数学と物理学を基礎に、幅広く最先端の 数理科学の教育・研究を行っています。数学や物理の理論そのものだけではなく、それを実際の現象に応用し、PC上で実験をするということがしばしばあります。講義と実験の両方によって理解を深められるところが数理工学コースの醍醐味かと思います。
計算機科学コースでは、情報とは何かを究明することを目標に、その処理・伝達・蓄積に関して学習・研究を行います。漠然とプログラミングをするところというイメージで入学する人が多いようですが、実際には論理学からコンピュータの仕組みの設計まで、幅広く深い知識をつける授業が満載です。
志望したきっかけ
私自身はもともと金融の仕組みに興味があったので、中学生の頃までは経済学部に行くことを考えていました。しかし、自分の得意科目が数学や物理・化学であったこと、そして何よりも現代の金融が高度な数理科学や情報通信技術によって支えられていることを知って、高1の秋ごろに京大の情報学科を志望することにしました。
わたしと工学部情報学科
私は数理工学コースに在籍していますが、その授業内容は多岐に渡ります。数学や物理はもちろん、情報学や統計学の授業もありますし、実験で使うプログラミングの知識や技能も習得できます。幅広い知識をつけることで将来の選択肢が広がることは情報学科の魅力かと思います。教授の方々が数理工学コースのことを就職に強い理学部と言ったりするくらいです。実際、私自身もデータマイニング(膨大なデータに統計処理をかけて、データの相関を見出す技術)や、機械学習(人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術)といった分野にも興味を抱きつつあって、逆に進路に迷ってしまうくらいです。笑
情報学科で学んでいて最もやりがいを感じる瞬間は、高校で学んできた数学・物理が大学の授業でさらに磨き上げられ、それが演習や実験を通じて形になるときです。受験生の皆さんはいまひょっとしたら苦戦されているかもしれませんが、その勉強は情報学科で必ず活かされます。頑張ってください!
工学部工業化学科
プロフィール:はる 3回生
こんな人におススメ!
- ☆化学が好きな人
- ☆分子の構造やしくみに興味のある人
- ☆良い研究環境で研究したい人
何を学ぶところ?
工業化学科で学ぶことができることは、工業化学の名称通り工学系の分野から、生体系に至るまで多岐に渡っています。そうしたたくさんの分野から医薬品、繊維製品、プラスチック、肥料といった化学製品などをつくることができます。しかしそれら化学製品を生産するためには、原料や完成品の性質、価格、安全性、設計した装置のメカニズム、環境や資源への配慮など、さまざまな要素を考えなければなりません。
これらの要素を考えるために工業化学科では、化学はもちろん、基礎的な物理学、数学、生物学を学んでいくことになります。なぜ専攻外のものまで勉強しないといけないのかと思う人もいると思いますが、実際に製品を扱うには様々なことを考慮し、多角的な視野をもたないといけないからです。他の分野の知識までも自分のものにしてこそ、よりよいものをつくれるということです。
1、2回生では有機化学、物理化学、無機化学を中心に化学の基礎を学びます。2回生の後期にコース配属があり、化学工学、創成化学、化学プロセス工学の3つのコースに分かれ専門的な勉強をします。その後4回生で研究室に配属され卒業研究に励むことになります。
志望したきっかけ
わたしは高1の秋ごろから一応京大に行きたいと思っていたのですが、そのときは金融関係に興味があったので経済学部でした。しかし、自分の進路の選択肢をせばめないようにと思って理系に進み、化学を勉強するにつれて、だんだんと志望が変わっていきました。
わたしがこの学科を志望したきっかけは、具体的な将来のことは決まっていなかったのですが、とりあえず化学系のことがしたい、また欲をいえばある製品を開発できたらいいなと思って、数ある工学部の学科のなかからこの学科を選びました。受験生のみなさんは、なにかその学部に入りたいと思う自分なりの理由を見つけて勉強をがんばってください。
わたしと工学部工業化学科
大学に合格し、これからたくさん化学のことを勉強していくのだなと思っていましたが、先に述べたように他の分野の勉強も多くしていきます。なので、正直に言うと1回生のときはもっと化学のことが勉強したいと思っていました。
1回生の勉強に関しては、わりと高校までにやったことをより深く勉強するといった感じです。
ちなみに僕は「創成化学」コースに在籍しています。工業化学科の中で2番目に人が多いコースです。2回生の後期までは高分子の入門といった創成化学よりの授業をしながらも、他コースの知識も少しだけ学ぶという感じで、3回生からは、高分子化学などについてより深く勉強していっています。基本的にはコースの勉強が深くなっていくのは、3回生からだと思います。それまでに多くの知識を身につけていればコース専門の授業をより楽しく感じることができるかもしれません。現在自分の進みたい分野や将来については具体的に見えていませんが、これから化学についてより深く勉強していくことにより、見えてくるものだと信じて勉強しています。そのうえで将来なにか画期的なものをつくりだせるようなことができればなと思います。
農学部資源生物科学科
プロフィール:まお 2回生 兵庫県出身
こんな人におススメ!
- ・自然、植物、生物が好きな人
- ・農学部がいいけど、やりたいこと、研究分野を大学で決めたい人
何を学ぶところ?
資源生物科学科は、1学年が約100人と、農学部の6つの学科の中で一番規模の大きい学科です。農学部の中でも他学科より農学や生物学の色が濃いです。学べる分野としては動物学、植物学、海洋学、昆虫学、農学、微生物学、生産環境学など多岐に渡り、研究室も細分化されています。植物の生理現象を研究したり、害虫が農作物に与える影響とその防除について勉強したりと、道は非常に拓けています。農学部は理系の中では制約が少ない学部ですが、本学科は特にその傾向が強く、自由に時間割を組むことができ、また受けられる講義の分野も同様に多いです。しかし融通が利く分、自分のやりたいことをしっかり持たなければ、何をするか迷ってしまう可能性もあります。1、2回生時は教養科目や専門科目の単位を揃えることに専念し、3回生から自分の興味のある分野の授業を重点的に履修することになります。3回までには自分の興味のある研究分野をある程度絞っておかなければいけません。またこのころから本格的に、生物学を主とした学生実験が始まります。実際に「農」を体験する機会が多いため、農学部らしい学科と言えるかもしれません。
志望したきっかけ
私は入試直前まで理系といえば工学部と考えていましたが、友達からこの学部の話を聞いて農学部を受けようと心変わりしました。パソコンよりも自然により近い学部に入りたいと思ったんです。それで資源生物科学科を受けた理由ですが、私は農学部に入ろうとした理由が漠然としていて、これといった研究したい分野というのが決まっていませんでした。しかしこの学科は研究の分野がたいへん広く、大学でいろんなことを勉強する中でなんの研究をするのか決めようと考え、その選択肢が沢山あるこの学科を受験しました。そして2年間大学で勉強しているうちに研究したい分野を見つけることができました。
わたしと農学部資源生物科学科
私は今高校の教科で言えば生物系の勉強をしています。細胞の働きであるとか、微生物や植物の機構など多くのことを勉強しています。私は高校の時に生物を選択していなかったので、正直一から生物の勉強をするのにそれなりに苦労しています。対して高校の頃から生物を勉強していた友達は比較的大学の講義についていくのは楽だそうです。
それから栽培実習といって、稲を植えたり、収穫したり、米以外にも柿や桃といった果物、芋、花などあらゆる作物の栽培を京大の保有する農場で実際に体験できる専門の講義があります。作ったお米や芋、果物を少し持って帰ったりできるので、一人暮らしには助かる珍しい講義ではあります。(笑)
農学部、資源生物科学科の勉強は正直私には難しいところが沢山ありますが、後悔はあまりしていません。難しいけど楽しく興味深い講義が沢山あります。おかげで進みたい進路、研究したい分野、目移りしてたくさん悩みました。個人的にはこれが資源生物科学科の一番の利点だと思っています。
農学部応用生命科学科
プロフィール:いしもえ
こんな人におススメ!
- ・生命の仕組みに興味のある人
- ・生物、物理、化学ともに頑張れる人
- ・物事を体系的に考えられる人
何を学ぶところ?
代謝や高分子合成などの身近な生命の仕組みをミクロな単位で解体することを一目標としています。扱う対象はヒトや植物、微生物と幅広く、その理解には生物、物理、化学分野にわたる知識が必要とされます。そのため1.2回生でその手段として微生物学や生化学、物理化学、有機化学などを学び、それを3回生の学生実験で実際に手を動かすことによって理解を深めていきます。4回生でより専門的なテーマに分野わけされた研究室に配属され、それまでに学んできたことを活かしつつ教授や先輩から考え方や技術を直接学びます。実践的な学問が多く、ただ知識をつけるのみでなくそれを使って自分で考えながら答えを導き出すことができるのが楽しいです。またグループワークも多く色んな人の意見に刺激を受けて自らを向上させることができます。
志望したきっかけ
私はもともと生物の分野全てが大好きで中でも生命の仕組みに関するミクロな分野にぼんやり進学したいな考えてました。そうやってふわふわしている間に高3の夏になり、高校が企画した京大の研究室訪問イベントに飛び入り参加し教授から具体的な研究内容をきいたり、京大出身の先生とパンフレットを見て色んな学科の内容について話しているうちに応生なら様々な生物分野を扱える可能性があり、かつミクロな切り口で知的好奇心を探求できるのではと思い応生に興味を持ち始めましたのがきっかけです。
わたしと農学部応用生命科学科
様々な角度から生物に関する講義を受けているうちに、もともと大好きだった生物について期待してきたことや想像もしていなかったことを知りました。高校の時は生物、物理、化学と科目わけされていたものも本来は分けて考えられるものではなくそれぞれの知識が組み合わさって真実に導いてくれるものだと学ぶことができたことは簡単なことのようで大きな経験でした。また応生は横も縦も繋がりが強く、学部生から教授まで参加するイベントもたくさんあります。自分を刺激してくれる人も環境も大変恵まれた学科です、物怖じせずどんどんやりたいことに飛び込んでいきましょう!
農学部地域環境工学科
プロフィール:S&Pさん 2回生 広島県出身
こんな人におススメ!
- ☆農業を工学したい人
- ☆工学部ではないところで工業に関わりたい人
- ☆農業を技術面から発展させたい人
何を学ぶところ?
地域環境工学科(通称:地環)は、工学を用いて農業を持続・発展させていくことを目指しており、水や土地の生産環境、農村の環境などに技術的な面から介入していきます。具体的には、「水・土・緑系」と「食料・エネルギー系」の2分野から構成されており、前者では水田における水の管理やダムの研究、農村計画などについて、後者ではトラクターなどの農業機械、農業ロボット、選果機などについて学ぶことができます。このように地環では、農業に携わる者にとって必要な化学や生物の知識はもちろん、工学的なアプローチをしていくために必要な“ツール”として、数学や物理学の素養も求められます。そのため、1、2回生の間は物理学基礎論・微分積分学・線型代数学といった、専門科目を学ぶ上での基礎となる科目を勉強します。それと同時に地域環境工学そのものについての理解を深めるような講義や、専門科目のイントロダクションのような講義も受けます。3、4回生では先ほど述べた2分野に即した専門科目、たとえば水理学実験や農業機械実験といった講義を受けることができます。4回生進級時には、2分野の中から希望の研究室に分属されるため、興味のある分野についてより深く学ぶことができます。
わたしと農学部地域環境工学科
京都大学を受験しようと思ったのは、高3の夏に行ったオープンキャンパスがきっかけです。以前から農業に興味があり、本当は資源生物科学科が第1志望でした。しかし、2次試験で資源生物科学科には点数が足らず、親の負担を考えると浪人は避けたいところだったので、第2志望の地域環境工学科で入学しました。
もともと第1志望ではないことや、講義で学ぶ理論についてイマイチ実感がわかないこともあって、入学当初はあまり授業に積極的になれませんでした。しかし、1回生の後期に行われる「地域環境工学演習」でJAの施設や京都北部の田畑に行き、実際に農業施設や農業ロボットを見てからは、少しずつこの学科で学ぶ分野にも興味がわいてきました。基礎科目である数学や物理といった科目に対しても苦手意識がありましたが、「高校では物理選択だったし何とかなるはずだ」と開き直って、少しずつではありますが苦手を克服していっています。
私はまだ2回生なので、専門分野に関しては基礎固めの段階であり、数学や物理と格闘する毎日ですが、その中で今は食料・エネルギー系に興味が出てきました。また、2回生は比較的時間に余裕があるので、最近では数学や物理だけではなく、個人的に興味のある生物学や心理学も自分で勉強しています。卒業した後は、大学院への進学を考えています。
農学部食料・環境経済学科
プロフィール:たまごかけごはん 新3回生 静岡出身
こんな人におススメ!
理系だけど社会や経済の仕組みが気になる人におすすめ
何を学ぶところ?
農業にかかわる問題を経済学という視点から考える、農業経営体の構造がどうなっているかを分析するなど農業経済を基本に学んでいきます。例えば、どういう農業をしたら利益が出るのか、どのような政策があれば農業がしやすくなるのか、農産物の国際貿易をするとき制度の違いによってどんなことが起きているのかなどです。また他の学科と異なり実験はありませんが実際に農地を見に行って話を聞きに行くような実習があります。1回生では学科全体であり、2回生では8つの分野に分かれてグループ調査を行いテーマを決め発表するという事もやります。。ここで自分の興味のある研究室の様子を知り3回生の後期から研究室に配属し卒業研究を考えていきます。
経済学部と違い、農業の現場や環境問題の起こっている現場に赴いて調査をすることが多く、自分たちの研究が農業の問題や環境問題にどう関係しているのか、研究によってどんな影響を与え得るのかをより身近に感じながら研究することができます
志望したきっかけ
私は食べることが好きだったので食に直接かかわってくる農業問題に興味がありました。なので農学部に入ろうと思ったのですが、その中でも農業を経済学的な視点で見るというのは新鮮で、経営・流通・市場構造などを分析することで農業問題を解決していくというところに惹かれました。
わたしと農学部食品生物科学科
この学科に入ってよかったと思うことは農業を取り巻く環境について知ることができたことです。今までは農業というと田舎のじいちゃんばあちゃんがしているイメージが強かったですが、実際は経営を存続させていくために様々な工夫をしたり、法人化して企業と同じように効率化を図っていたり、6次産業化のように手を付ける分野を広げていったりとただ単純に作って売るというだけにとどまらない農業の世界を知ることができました。今はどんな要因が農業に影響を与えるかというのを実際のデータを用いて分析を行ったり、農業にかかわる制度などを学んでいます。人数が少ないためクラスの仲が良く、専門的なテーマでも意見を気軽に交換し合えるのも良いところです。
農学部森林科学科
プロフィール:しゃちくさん 1回生 滋賀県出身
こんな人におススメ!
- ☆フィールドワークに興味がある人
- ☆バイオマスに興味がある人
- ☆林業に関わりたい人
何を学ぶところ?
森林科学科は森林に関係することなら何でもやる学科です。具体的には木材などのバイオマスの利用、森林の生態系、山地保全などがあり、高校での科目の枠を超えた幅広い領域の研究が行われています。また、京都大学フィールド科学教育研究センターは京都府の上賀茂や北海道など日本各地に演習林をもっており、森林科学科では演習も行っています。このように森林科学科は森林についてその機能や生態系を巨視的に研究したり、樹木の細胞やそれに含まれる成分など微視的に研究したりする学科です。
様々な研究分野があるため、進む分野によって身に着けておかなければならない教養も変わってきます。そのため、一般教養科目の段階から計画的に履修しておくことが重要です。1回生では専門科目を学ぶための基礎を勉強します。数学や物理、生物などがあります。専門は週に3つくらいです。回生が上がるにつれて専門の割合が大きくなり、森林演習が始まります。
わたしと農学部森林科学科
僕は何かやりたいことがあって森林科学科を志望したわけではありません。「森林って名前がついてるぐらいだし研究室にこもりっぱなしじゃなくてフィールドワークとかやってて楽しそうだな」くらいの感覚で森林を志望しました。実際入ってみると僕が受験生のころにもっていた感覚は半分正解で半分間違っていました。森林生物の研究をしている研究室はフィールドワークを盛んに行う一方で、バイオマスの研究などは研究室での実験が多いそうです。また、研究の内容も生物系のものばかりだと考えていましたが、林産工学では主に物理系の内容を扱っているらしく森林科学科が扱っている分野の広さに驚きました。今はまだ一回生で森林や樹木についての知識は全くないに等しい状態で、どの分野も新しく感じられ、やりたいことがたくさんあります。これからは森林演習も始まり、専門も多くなってきます。その中で自分が本当にやりたいことを見極め、研究分野を絞り込んでいきたいです。
農学部食品生物科学科
プロフィール:ふりーざ 2回生
こんな人におススメ!
- ①実験が好きな人
- ②食と健康に興味がある人
- ③ミクロな分野の研究をしたい人。
何を学ぶところ?
食品生物科学科は、食品の開発や生産に関わる高度の技術者・研究者を育成することを目的として平成13年度に設置された、農学部で一番新しい学科です。この目的のために、生化学、有機化学、物理化学、分子生物学などを中心に体系的に学んでいくことになります。内容としては、分子レベルのミクロの内容が大半となります。なので、生産や流通など、食品についてもっと大きい枠組みで学びたい、という人はこの学科は合わないかもしれません。逆に、分子レベルでの食品改良をしたい、という方にはまさにうってつけです。授業に関してですが、1,2回の間は専門の授業はそれほど多くはなく、一般教養の授業が大半となります。しかし、この段階で学ぶ内容は3回生以降の実験や研究の土台となるのでしっかりと頭に入れておきましょう。2回生は特に時間があるので、好きなことに打ち込むとよいでしょう。3回生になると、午前には講義、午後には毎日実験と、2回生までとはうって変わって忙しい毎日が続きます。4回生は研究室配属となり、吉田キャンパスと宇治キャンパスに分かれて卒論制作に取り組むことになります。研究室配属はこれまでの成績がよいと有利に進められるので、1回生のうちからしっかりと学習をしていきましょう。
志望したきっかけ
僕は実家が食品会社を経営しており、当初は家業を継ぐことを考え、経済系を学ぶために別の大学に行っていました。しかし、僕は次第に経営のことよりも食品そのものを深く学びたいと思うようになりました。そこで食品の研究で最高峰と言われる京都大学の食品生物科学科に興味をもち、前の大学から京大に転校しました。この当時は、食品という名前だけで入学し、その学習内容はあまり把握していませんでした。
わたしと農学部食品生物科学科
ちょっとおかしいかもしれませんが、僕がこの学科に入ってよかったと思うことは、僕は食品の研究者には向いていない、ということがわかったことです。最初に書いた通り、この学科はミクロな視点で食品について学びます。確かに、この学科で学んで食品に関する様々な知識が身につきましたし、それだけでも京大に来てよかったと思っています。しかし、より深く学んでいくうちに、もっとマクロな視点(生産や流通など)で食品について学びたいと思うようになっていきました。なので今は、研究室でずっと続けるというよりは、実際の社会で、どのように食品が活用されているかを知りたいと考えています。海外でそのようなマクロな視点で食を考える大学院があるので、ゆくゆくはそこに留学したいな、と思っています。
もちろん、3回生に入れば実験が始まるので、そこで様々なスキルを身に着けたいと考えています。その上で、ここで得た知識を留学にも生かし、社会に役立てることができればな、と思っています。